最近、輸入食品に関する報道や環境問題を論じるテーマの時にフード・マイレージという概念がよく使われる。
フード・マイレージが定着しつつあるので仕事がらみ(現在、青果物輸入会社に勤務)のことを少し書いてみる。
この概念は単純に生産地から食卓までの距離が短いほど輸送に伴う環境負荷が少ないであろうという仮説を前提に考え出されたもので、
フード・マイレージ=重さ(トン)×距離(km)
で求められる。距離が長くなればなるほどフード・マイレージが大きくなり、結果として環境負荷(二酸化炭素の排出)が大きくなると考えられる。
だから、海外で生産された農作物を輸入すると国産に比べ、相対的にフード・マイレージは大きくなる。
ただでさえ輸入物=「安くて安全ではない」というイメージにさらに環境負荷が大きい(環境破壊だ。)というイメージが上乗せされて輸入物=悪者となってしまっている。
確かに報道を見る限り、こう思ってしまうのは無理はないと思う。なぜなら、ネット上には輸入会社側のコメントが限りなく少なく、ブログなど書いている人はいないからだ。
そこで今回、フード・マイレージが大きいからと言って単純に環境負荷が大きくなるとは限らないことを説明してみる。
例を出してみるとパプリカやインゲン(冬場)を輸入する場合、通常、航空便で輸入される。
インゲンは中東のオマーンから運ばれ、パプリカはヨーロッパから運ばれるため当たり前ですが、その移動距離はめちゃくちゃ大きい。おまけに飛行機は燃料を莫大に消費するため二酸化炭素も大量に排出される。だから、環境負荷はやはり大きいのではないかと思うかもしれないが実はそうでもない。
なぜか?たとえパプリカやインゲンを今すぐ輸入禁止したとしても二酸化炭素の排出量は変わらない。輸入しようがしまいが環境負荷は変わらない。どういうことかというと航空便で輸入される場合、すでに飛んでいる飛行機の路線に相乗りさせてもらっているからです。つまり、人間の移動と一緒に野菜も運ばれるわけだから、輸入することが新たな二酸化炭素の排出につながるわけではない。
だから、積み荷を積むスペースを確保できない場合、便をずらして運ぶこともよくあるし、運賃を安く抑えるため深夜の便で運ぶこともある。
そんなわけで単純に、重さ×距離が大きくなれば環境負荷が大きくなるとは限らない。
チャーター便で特別に輸送しない限り、飛行機で輸入することが二酸化炭素の排出につながるわけではないんです。もし仮にチャーター便で運ぶようなことになれば市場価格をはるかに上回る原価になりビジネスとして儲かるわけがない。まぁでも飛行機で運んでるのに何でこんなに安く手に入るのか疑問に思われている方に安く提供できる理由の一つがこういうことなんだなと理解していただければ幸いです。
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