2013年5月23日木曜日

肉は食べなくてもいいのか。

講談社のブルーバックスシリーズで「筋肉はふしぎ」杉晴夫著 を読んでいて、なるほどと思いましたが、忘れそうなのでメモっておきます。

P32
1-7 糖質は生体が最も好むエネルギー源である

 筋肉があまり激しくない運動を続けているとき、筋肉内のATP消費速度と呼吸によるミトコンドリア内の「H+水車」でのATP製造速度はつり合っている。100m走のスプリンターが呼吸をせずにクレアチンリン酸プールを使うのに対し、マラソンランナーは呼吸によるミトコンドリアでのATP製造能力が発達しており、そのおかげで激しい運動を長時間続けることができる。しかしATP消費速度とATP製造速度のバランスは大変デリケートで、選手の体調に著しく左右され 、これがうまくいかないとマラソンの優勝候補がしばしば途中棄権することになる。
 よく栄養学の本に書かれているように、われわれが食事によりエネルギー源として体内に取り入れる物質は糖質とタンパク質と脂肪で、これらを三大栄養素という。このうちタンパク質は主に身体の構造をつくるのに利用される。筋肉エンジンもタンパク質からつくられる。脂肪は主に予備エネルギー源として体内に貯蔵される。酸素によって最もよく燃焼し、ATP製造に用いられるのは、もっぱらでんぷん、グリコーゲンなどの糖質、特にこれらが分解してできるブドウ糖である。
 三大栄養素は体内の化学反応によって互いに他の栄養素に入れ替わりうる。タンパク質や脂肪は体内で糖質に変化した後、糖質の燃焼反応に加わることによって燃料として用いられる。つまり糖質はATP製造のため生物が最も好む燃料なのである。
 したがってマラソンなどの運動に耐えるスタミナをつけるために肉を食べる必要は特にない。実際に戦国時代の武士は重い鎧をつけ、梅干しとにぎり飯だけで長い道のりを歩き、しかも戦闘を行うのに十分なスタミナを持っていた。またローマ帝国の兵士も穀類を主食として肉食を好まなかったにもかかわらず、行軍速度が速いことで有名であった。
 明治維新後の日本人の発明の一つに人力車がある。人力車夫は人力車を引いて現在のマラソンランナーに劣らない速度で長距離を走ったのである。例えば彼らは東京から日光まで約100㎞の道を一日で走破した。当時日本に滞在したベルツが試みに人力車夫に肉をうんと食べさせてみたところ、彼らは急にスタミナを失ってたちまちばててしまったという。これは、人のスタミナに肉食は必要でないことを明らかに示している。肉に多く含まれるタンパク質は、糖質に変換されたのちにはじめて身体運動のエネルギーに用いられる。この変換は、石油を精製してガソリンを作るのに例えられる。人力車夫がたちまちばてたのは、急に長年の食事の内容を変えたために、肉のタンパク質がスムーズに体内で糖質に変換されなかったことによるものであろう。

この先生は筋収縮の生理学が専門なのでかなり説得力があります。まぁ長距離走る動物は皆、草食動物でもあるので確かにそうですよね。次のダブルフル村岡まで4ヶ月あるので肉絶ちでどんな変化があるのか試してみようと思います。わらじだけでなくその当時の食生活も再現して、走りに反映できればと思います。

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