2008年4月27日日曜日

限界を超えて〜走りの理想形

何とか体をごまかしながら歩いたり走ったりしていた。

45kの給水場からは2〜3kごとにあるどの給水場でもゆっくりと時間を取るようにした。イスがある時は必ず座った。

何とか65kの給水場(45kと同じ給水場です)にたどり着いたが、体はすでに疲労のピークにあり、特に足の筋肉痛と腰の張りは酷かった。

65k地点、時間は12時44分。あとは同じ道を帰るだけだ。

このペースで走れば、17時まで(12時間以内に完走するという目標)に完走できないし、18時過ぎの最終の特急にも乗れない。家に帰り着くためには残り35kを5時間で走らなければならない。

ふと走っていてあることを思いついた。この極限状態の中で体に負荷のかからない理想的な走りが見つかるかもしれない。

目をつぶって、体の痛いところを意識して、感覚をすべて内に向けてみた。

痛いところが痛くないように足の運び、ストライド、着地の仕方を少しずつ変えてみた。

無駄な動きがないように着地してはねかえるエネルギーを前に進む推進力に変えるため着地する瞬間にだけ意識を集中させた。

着地する瞬間の力を感じるため上半身や下半身のその他の動きに力を入れず、脱力しようと意識した。

時間に追い込まれた状態、極限状態の体が、意識を内に集中させることを容易にした。

意識を内に向け始めたら体に変化が起こった。足の筋肉痛がなくなり、腰の張りもなくなった。上半身も余分な力が抜けて、体がスタート前の状態に戻ったのではないかと言うぐらい軽くなった。

自分でも信じられなかった。体が嘘みたいに軽い。当然、スピードも増し、今まで抜かれた10人ぐらいを抜き返した。 抜かれた人も何でまだ元気があるんだという顔をしていた。

65k〜75kの10kのタイムは1時間15分だった。今までより驚異的に速くなった。 走り始めてから9時間も経過してまだこれだけの力があったのかとびっくりした。

極限状態で得た走りの理想形は自分の枠を広げた。 まだこんな引き出しが自分にあったのかと思うとうれしかった。

しかし、この走りはそう長くは続かなかった。 80kを越えたあたりでまた壁にぶつかる。

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