走りが楽になったこともあり、走る時は思いっきり走り、休む時は給水場でゆっくり休むというメリハリが出てきた。
80k付近に差し掛かり、このペースで行けば17時までにゴールすることも可能なのではないかと思い始めた。
足の裏がだんだんマヒしてきて感覚がなくなっていたが、あと20kで歩いてもゴールできる距離にいたので幾分、気持ちに余裕があった。
81k付近にある給水場でゆっくりとくつろいでから走り始めようとしたら、なぜか足がかたくなって動きが鈍くなっていた。ヤバイ。
ちょうど82k付近から熊野100kマラソンの最後の難所である上りに入ろうとしていた。何とか少しずつ小刻みに足を動かして上っていくが、なかなか前に進まない。しまいには歩き始めた。
歩いたり走ったりを繰り返し、徐々に後ろの人に抜かれ始めた。
やっぱりベテランは違う。この80kを越えてもなお、自分のペースで走り続ける底知れない強さを感じた。この状況を経験したことのある人なら理解してもらえるだろうが、何でまだ走れるんだと不思議で仕方がない。根本的に何か違うのではないかと思ってしまう。素人が軽い気持ちで参加するものではない。ここにはバケモノがたくさんいた(笑)。
87kを過ぎてまだ上りが続く。さすがにこのころになると理想の走りがどうのとか考えている余裕もない。痛みとの戦い。足の裏がバカになり、足が動かない。走るより歩いている時間の方が長かった。このまま歩いてもゴールできるが、それでは家に帰れない。どうしようか。今は3時40分。
上りが92k地点まであることがわかり、上りは歩いて体に負担をかけないでのぼることにした。
92k付近の給水場。時間は4時40分。ボランティアの人に話を聞くと、ここからゴールまで下りで走っても1時間ぐらいはかかる。ゴールから紀伊勝浦駅までは車で15分ぐらいかかるので今から走れるならぎりぎり間に合うか間に合わないかぐらいだと言われた。
ひょっとしたらもうすでに間に合わないと思っていたので話を聞いてテンションが上がった。体はボロボロだけどやるしかない。そうしないと家に帰れない(笑)。
覚悟を決めて一気に走り始めた。体は動きが悪かったが、下り坂ということもあり、徐々にスピードが上がっていった。頭の中はヤバイ走らなければでいっぱいだった。走りながらまた効率的な走りを心がけた。足は痛いがそんなことより前に進むことだけを考えた。さらにスピードが上がった。
次第に前の人を何人か抜いて最後の根性を出した。時間がどんどん迫ってくる。
給水場は2.7kごとにあった。20分刻みで走っていた。このペースならいける。
ラスト2k。ゴールまであとわずか、沿道の人が声をかけてくれる。「あともう少しだよ。がんばれ~!」
この2kが結構長く感じる。足は痛いし、時間もない。何がなんだか分からなくなってきた。うお~!
とにかく走るんだ。もうちょっとで家に帰れる(笑)。
ゴール前には人がいっぱいいた。
すべての力を振り絞ってラストスパート。
大歓声の中、ゴールテープを切った。タイムは12時間40分弱だった。
ゴールの喜びに浸る間もなく、駅まで車で乗せてくれるボランティアを探した。
幸い、同じ特急に乗るランナー2人と一緒に乗せてもらえることになった。
長い長い戦いが終わった。
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